ここが違うよ真田丸・大河ドラマと歴史の違いを知る

NHK大河ドラマ・真田丸は歴史ドラマ。でも歴史的事実とは違う部分もあります。

ドラマはドキュメンタリー作品ではなく、視聴者が楽しんもらうことを前提に作られています。製作側としては必ずしも歴史に忠実に作る必要はないと考えているようです。

でも、大河ドラマを見て歴史的事実だと思い込んでしまう人もいるかもしれません。

大河ドラマと歴史上の通説となってる部分の違いを紹介します。

歴史は資料によって内容が違うこともあるので通説が絶対正しいというわけではありません。研究家によっても意見が違う場合もあります。ここでは歴史研究家の多くが支持している「通説」と比較してみましょう。

大河ドラマ「真田丸」と歴史の違いを比べる

  3話「策略」~
できごと 織田信長に従う真田家は人質を出す
「真田丸」では 信繁の姉・松が人質として安土に行く。夫・小山田茂誠・真田信繁・矢沢三十郎が同行。
通説では 村松殿が人質になったという記録はない。
人質になったのは昌幸の母弁丸(信繁)
安土には行かない。下野国、信濃小県郡の人質が送られたのは滝川一益の城。

この時期の小山田茂誠と村松殿(松)については資料がありません。オリジナル設定を作るのは仕方ないと思います。でも、現在の町や村レベルの規模でしかない国人衆の人質は各地域を治める拠点(県庁所在地みたいなもの)に集められるのが普通。いちいち安土(首都)に各地の人質を集めていたら屋敷がいくらあっても足りません。

  7話「奪還」
できごと 沼田城の返還
「真田丸」では 滝川軍が北条軍と戦ってる間に真田家が沼田城を攻撃して取り返した。
通説では 沼田城は滝川一益から返してもらった。

このころ下野国、小県郡の国人衆も滝川軍と共に北条軍と戦ってます。真田に沼田城を攻めてる余裕はないです。沼田城は川に囲まれ高台にある天然の要害。お互いに北条と戦ってる最中に残りの兵で真田が滝川軍を攻めて奪い返すのは難しいかもしれません。

  8話「調略」
できごと 真田昌幸が上杉、北条についたいきさつ。
「真田丸」では 最初から北条に付くつもりだった。北条への手土産として上杉側武将の調略をするために上杉に一旦、上杉に付いた。
通説では 上杉が小県郡の隣にある川中島まで占領したので服従。しかし沼田が北条軍に攻められる。上杉には真田を守る余裕はない。北条と和睦。北条側に付いた。

真田丸では沼田における真田と北条との戦いは完全に削除されてる。真田は北条と戦って犠牲もでているのです。ちなみにこの時、沼田で北条と戦っていたのは 矢沢頼綱 。ドラマで出ていないのは、沼田で忙しかったからと思ってください。

  7話「奪還」~8話「調略」
できごと 春日信達の調略と死
「真田丸」では 北条の手土産とするため春日信達を調略。信尹は信達に海津城安堵の書状を渡した後、暗殺。信繁も調略に同行した。
通説では 春日信達の調略は北条の方針。しかし北条の書状が上杉に見つかって春日信達は上杉に処刑される。信繁が調略に関わったとという資料はない。

この時期、信繁が何をしていたのかという資料はないので。出番を作るため調略に加わったということにしたのでしょう。春日信達の寝返りがばれたのは結果論。最初から仕組んでいたわけではないと思います。

ドラマでは信繁が「信春」と名乗っています。この時期・真田信尹は加津野昌春と名乗っていたので、そこから「春」の字を採用したのかもしれません。

  8話「調略」
できごと 信濃から上杉と北条が撤退。真田家が残った。
「真田丸」では 昌幸は上杉と北条を信濃から追い出すために春日信達を利用して暗殺。北条氏直と上杉を戦わせるようにしむけた。昌幸の意見に反対する氏直の性格を利用して氏直を信濃から追い出した。
通説では 北条の戦いを有利にするため春日信達と山田右近を調略。結果として両方とも失敗。上杉は旗を多数立てて実際の兵よりも数を多く見せて北条軍とにらみ合いを行う。春日の調略に失敗したことを知った氏直は予想以上の大軍を持つ(ように見えた)上杉との戦闘を避けた。昌幸は信濃に留まり殿を引き受けることを提案。氏直は昌幸が残るのを許可して甲斐に侵攻。

調略がばれて昌幸が上杉と直接戦うことを進言し北条氏直がそれを却下しました。甲斐に向かうことを決めた氏直に対して、昌幸がすでに徳川が甲斐を占領中なので今からでは遅いと忠告。氏直がそれを無視して甲斐に侵攻しました。たしかに氏直が昌幸の意見には否定的な発言をしている資料があります。二人の意見の食い違いをドラマでは氏直の天邪鬼ぶりを強調して描いています。

甲斐に向かうことを決めた氏直に対して、昌幸が小県に残って上杉を食い止めることを提案。それは認められます。この時点では上杉家臣・新発田重信が反乱を起こしていることは昌幸も知っていたので、昌幸は上杉が攻めてこないと思っていた可能性は高いです。

氏直の方針転換と上杉の事情をうまく利用して小県に残って勢力拡大を行った昌幸の手腕はみごとです。

でもドラマは歴史を知ってるから書けるシナリオ。全て最初から計画していたというのは都合がよすぎる気もします。

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ドラマはあくまでもドラマ

歴史ドラマはあくまでも娯楽作品。作った人の想像の世界です。歴史にはさまざまな説もあるのでドラマの解釈がおかしいとはいうわけではありません。見る人がそれぞれに楽しめばいいと思います。
ここに書いたことも、歴史のネタとしてこういう説があるんだよというくらいに思ってください。