「べっぴんさん」ベビーショップキアリスのモデルはファミリア(familiar)

朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」でヒロイン・坂野すみれたちが立ち上げるブランド。キアリス。そのモデルになったのはファミリアなんですね。

ファミリアといえば子供服、ベビー用品のブランドとして有名です。関西では出産祝いの送り物にファミリアが喜ばれます。お受験のための服として買われる人も多いとか。もちろん皇室御用達ブランドとしても知られています。

そんなファミリアについて紹介します。

ファミリア

昭和25年4月。兵庫県神戸市三宮でファミリアは誕生しました。

創業者の代表は坂野惇子。

坂野惇子はレナウンの前身となった佐々木営業部創始者・佐々木八十八の娘です。
お嬢様育ちの惇子は戦前は不自由のない生活をしていましたが、戦争で家や多くの財産を失いました。そこで始めたのが得意の裁縫を生かして子供向けの小物を作ることでした。友人を誘って始めたベビー用品のお店はやがて日本を代表する子供服・ベビー用品の会社へと成長します。

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主婦の始めた店

坂野惇子は友人の田村枝津子、枝津子の義姉・田村美津子、村井ミヨ子らとともに始めたのが、ベビーショップモトヤ。知人の靴屋の店頭でショーケースを借りて手作りの子供用品を売り出したのが始まりでした。たった二つのショーケースでしたが、惇子たちの商品は評判になり大人気に。ところが、お嬢様育ちの惇子たちは商売の仕方が分かっていませんでした。採算度外視の価格設定をしたおかげで利益は出なかったのです。でも、ショーケースを貸してくれたモトヤ靴店の店主や、惇子の夫・坂野通夫が商売について教えてくれたおかげで利益が出るようになりました。

その後、主婦が始めたベビーショップは自前の店舗を持つファミリアへと成長。佐々木営業部(レナウン)で働いていた夫の通夫が社長となり本格的な企業として再スタートしました。

ファミリアの商品は評判となり、阪急百貨店でも扱いたいと誘いが来るようになりました。阪急百貨店に直営店を出店。その後は東京にも進出しました。

子供のことを考えた「愛情品質」

惇子たちは当時最新の西洋式の子育て方法を学んでいました。子供と母親のことを考えた洋服を作りました。「愛情品質」を合言葉に自分の子供に着せるつもりで、丁寧で、使う人のことを考えた物つくりをおこないました。敏感な赤ちゃんの肌にも優しく、赤ちゃんの動きをじゃましないゆったりしたデザイン。長く使える商品が特徴でした。機能だけでなくデザインにもこだわりました。海外の流行も取り入れたおしゃれてかわいいデザインは子供やお母さんたちの人気を集めます。

ファミリアは家族の意味

ファミリアの名前は、惇子が知人のフランス人にフランス語で家族は何というのか聞いたのがきっかけでした。フランス語で家族はファミリア”famille”。惇子はその響きが気に入りました。

でも”ベビーショップ”という英語を使うことはすでに決まってました。英語とフランス語をつなげのはできません。念のため英語でも調べてみると似たような発音の”familiar”には“より楽しい”、“家庭的”、“親友”という意味があることが分かりました。

そこで敦子たちは新しい会社に”ファミリア”の名前を付けたということです。「ファミリアはフランス語の家族」と紹介されることが多いですが、会社のロゴは英語の”familiar”なんですね。

キアリスの意味

ドラマの「キアリス」は創業者となる田中君枝、小野明美、多田良子、坂東すみれの名前の頭文字をつなげたものです。みえ、けみ、ょうこ、みれの頭文字ですね。

ファミリアのマスコットキャラはくまのファミちゃんと、リアちゃんです。
キアリスのマスコットキャラはりす。物語全体をとおして四葉のクローバーがすみれたちのシンボルマークとなります。

皇室御用達ブランド

昭和34年(1958年)。皇太子妃(当時)美智子様がご懐妊。業界では出産準備品を納品すべく準備が始まりました。そこで選ばれたのがファミリアの商品でした。皇太子妃みずから視察しファミリアも決定したということです。その後、ファミリアは皇室から注文をいただくようになり愛子様も愛用していることが話題になりました。

なお。戦後、皇室御用達の制度はなくなりました。現在では「皇室から注文が来ている」「皇室の方が使用している」という品物が”皇室御用達”として紹介されることがあります。

現在も続くファミリア

本社のある神戸を襲った阪神大震災からも立ち直り、リーマンショックも乗り越え、安くて大量生産の品物が主流の現代でもファミリアの赤ちゃんとお母さんのことを考えた丁寧な商品つくりは受け継がれています。現在は「子どもの可能性をクリエイトする」という企業理念をかかげ、2015年には保育園を開園。今も進化を続けているようです。