わろてんかで高橋一生演じる伊能栞のモデルは誰?実在するの?

ドラマ「わろてんか」で高橋一生演じる青年実業家 伊能栞(いのう しおり)。

伊能栞は伊能薬品社長の息子。神戸で貿易会社をやっている青年実業家という設定です。ヒロイン・てんの結婚相手になるはずでした。てんが藤吉が好きと分かって応援してあげる心の広い人物です。てんが結婚後も、てんや藤吉と交流を深めます。実業家ですがエンターテイメントに関心があり、日本にショービジネスを広める人物となります。なんだかとっても出来過ぎな人のようですね。そんな人にモデルがいたのでしょうか?

伊能栞(いのう しおり)のモデルになった人

伊能栞のモデルになった人はいるのでしょうか?

「あさが来た」の五代友厚と違って、伊能栞という名前の有名な実業家はいません。

てんのモデルは吉本せい。つまり、吉本せいにドラマの伊能栞に似た知り合いはいたのか?ということになります。

残念ながら吉本せいと許嫁で薬の販売をしていて吉本せいに協力してショービジネスを広めたという人はいません。架空の存在です。

でも伊能栞の設定に影響を与えたと思われる人はいます。

小林一三(こばやし いちぞう)・阪急東宝グループ創始者

ドラマの伊能栞に一番近いと思えるのが小林一三です。

小林一三は阪急東宝グループの創始者。関西を代表する実業家です。一三は山梨県産まれ。1月3日に産まれたので一三という名前になったそうです。

慶應義塾を卒業後。三井銀行の本店勤務したあと大阪支店に転勤します。三井銀行を退職後、箕面有馬電気軌道(今の阪急電鉄)を作ります。

電車を通すだけでなく、周辺の住宅開発も行いました。さらに、阪急百貨店、動物園、温泉、宝塚歌劇団、阪急ブレーブス、第一ホテルを作りました。鉄道沿線に人を呼び込み楽しめる場所を提供することで鉄道沿線を活性化させました。鉄道会社で最初に百貨店を経営したのも阪急です。

関西だけでなく東京にも進出、東京宝塚劇場、東宝映画を設立。演劇だけでなく映画事業にも参入しました。ちなみに東宝は東京宝塚を略したものです。現在は東京宝塚劇場と東宝映画が合併して東宝株式会社になっています。

東宝映画、宝塚歌劇といった現在の日本人ならだれでも知ってるエンターテイメント事業を作った人です。

他の映画会社が興行師から発展したものだったため、親分子分気質の抜けない古い体質だったのに対して。東宝は興業の世界とは縁のない企業が作った映画会社ということもありビジネス的な組織でした。東宝は短期間で日本を代表する映画会社になりました。演劇の分野でも東京では松竹と二分するほどの人気を誇りました。また、宝塚歌劇団は独自の地位を築いています。

小林一三は事業を起こして成功するだけでなく、エンターテイメント分野にも関心を持ち日本に健全なショービジネスを広めた功労者でもあるのです。

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吉本との関係

残念ながら小林一三と吉本せいは直接は関係はありません。

同じ時代にエンターテイメント業界で生きるものとして、比較される運命にはありましたが、個人的な付き合いはありませんでした。

しかし大阪では吉本せいは「女小林一三」と呼ばれたこともありました。

今では吉本は大阪のお笑いが専門と思われがちですが、戦前は吉本興業は映画、劇場、落語といった幅広い演芸分野をてがけていました。戦前の関西では松竹・東宝・吉本が三大興業資本といわれたほどです。そんなわけもあって、大阪では吉本せいは小林一三に匹敵する人物とみられていました。

また東宝と吉本興業がまったく関係がないかというとそうではありません。

1933年(昭和8年)には吉本せいの弟・林正之助が東宝映画配給の取締役になりました。横山エンタツ・花菱アチャコ、柳家金語楼ら吉本の芸人が東宝の映画に出演することもありました。

ビジネスの相手としては吉本興業と小林の作った東宝は一時期協力関係にあったといえます。企業レベルの交流が個人レベルの関係におきかわった。と考えれば小林一三が伊能栞のモデルになった。といっても言い過ぎではないと思われます。

小林とあの有名人との意外な関係

小林一三は関西では大きな影響力をもっていました。朝ドラにも登場する人物にも、小林や阪急と縁の深い人がいます。意外な有名人も小林と縁が深かったりします。

鳥井信治郎(サントリー創業者)

小林一三の次女・春子はサントリー創業者の鳥井信治郎の息子と結婚しました。
2014年朝ドラ「マッサン」で主人公・亀山が勤める酒造メーカー鴨居商店の社長・鴨居欣次郎は鳥井信治郎をモデルにしています。

清水雅(阪急百貨店・東宝社長)

2016年朝ドラ「べっぴんさん」でヒロイン・すみれたちの商品を販売する大急百貨店の社長・大島保は、阪急百貨店と東宝の社長を勤めた清水雅をモデルにしています。清水雅は小林一三のもとで働き、小林なきあとの阪急と東宝を支えた人物です。

松岡修造(元プロテニスプレイヤー)

次男・小林辰郎の孫がプロテニスプレイヤーの松岡修造です。小林一三のひ孫になります。松岡修造の父は東宝の社長・松岡功、母は宝塚歌劇団の男役スター千波静です。