次郎法師(井伊直虎)は何歳で出家したのでしょうか?

丸に橘

井伊直虎は許嫁の亀之丞(井伊直親)がいなくなった後、出家して次郎法師と名乗りました。

でも、何歳のときに出家したのか記録がありません。亀之丞がいなくなった後に出家したことしかわかっていないのです。

そこで次郎法師になったのはいつなのか様々な説があります。

どのような説があるのか、直虎は何歳で出家して次郎法師になったのかまとめてみました。

 

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次郎法師(直虎)は何歳で出家したのか?

次郎法師が出家した年は記録がありません。何歳に出家したのかわからないのでいくつかの説が作られました。5歳から20歳までさまざまです。次郎法師の生まれた年もわかりません。亀之丞の生年はわかっています。許嫁の亀之丞とあまり歳は離れていないだろうと考えるのが一般的です。

亀之丞失踪直後に出家した説

井伊家伝記にはいつ出家したのかは書いてません。「亀之丞がいなくなった後、菩提を弔うために出家した」としか書いてません。素直に読めば亀之丞が死んだと思ったので直虎が出家したと読めます。だから亀之丞がいなくなった直後だろう。と考えられます。亀之丞の失踪直後に出家したとすれば5~10歳ごろになります。直虎の出版物が出始めた初期のころはこの説も多かったです。

亀之丞の裏切りから出家した説

20歳ころに出家したとする説は、亀之丞が結婚したことを聞いた後に出家するとそのくらいの年頃になるからです。亀之丞は15歳をすぎたころ潜伏先で元服しました。当時の習慣では元服と結婚はほぼ一緒です。亀之丞は地元の有力者の娘と結婚しました。いつまでたっても小野和泉守は亡くなりません。今川の力は強くなる一方です。匿ってもらってる地元の有力者の思惑もあります。亀之丞も故郷に戻るのはあきらめつつあったかもしれません。子供も生まれました。それを聞いた次郎法師が裏切られたと悲観して出家したというものです。

しかし15~20歳出家説は「10歳前後の子供が出家するなんてありえない、大人になって分別がわかるようになってからでないと出家しないはずだ」という現代人の感覚で考えたものです。しかも許嫁に裏切られたので出家するというのはいかにも悲劇のヒロイン的です。現代の女性にウケる要素なのでこの説を取り上げている出版物やサイトも多いです。しかしこれは創作物語なんですね。作家がよく主張する説です。

当時の感覚では許嫁は結婚したも同じ。だから許嫁が死んだという理由での出家があり得ないとはいいきれないんですね。それでも大人なら割り切ることもできるかもしれません。若ければなおさら一途に思い詰めることもあったかもしれません。人生50年、15・6歳で成人と考えられていた時代です。当時の10歳は現代の10歳よりもずっと大人びているはずです。亀之丞個人がいなくなったから、というよりも運命の人が死んだというシチュエーションが、精神的には思春期真っただ中の直虎をそうさせたのかもしれません。

今川家や小野和泉守から守るため。亀之丞の消息は井伊家でもごく一部の者しか知らされてなかったと思われます。次郎法師も亀之丞がどこで何をしているのか知らされていなかったと思われます。結婚して子供がいるなんてばらしてしまったら今川家や小野和泉守の追手が来るかもしれません。

10歳こえてから出家した説

歴史研究家の間では亀之丞がいなくなって数年は待った。戻ってこないのであきらめて出家した。だから10~15歳ころ、と考える人が多いようです。

「寛政重修諸家譜」という江戸時代の記録には直盛女(なおもりのむすめ)の記録があります。それによると「直親に婚を約すといえども、直満害せられ直親信濃にはしり、数年にしてかえらざりしかば、尼となり、次郎法師と号す」とあります。

ということは、亀之丞失踪直後は出家せずに数年して出家したということになります。しばらくは「亀之丞が生きているかもしれない」と思って待っていたのかもしれません。

小野和泉守の息子と結婚させられそうになったから出家した。というのは現代人の創作ですが、可能性はあったかもしれません。今川家としては井伊家を支配下に置くために今川に近い立場の者を井伊家に送り込みたかったからです。井伊家の一人娘が結婚適齢期なのに独身のままでいるのは難しかったでしょう。そうなると15~20歳になっても独身だったというのは無理があります。

と、考え出すときりがないです。いずれにしても、いまのところ記録がないので不明です。

 

大河ドラマでは次郎法師になったのは亀之丞がいなくなった直後。ドラマの設定ではおとわ(直虎)と亀次郎は同じ年。亀次郎が失踪したのは9歳のときです。出家した理由は小野和泉守の息子(鶴丸)と結婚させられそうになったから。ということになってます。ドラマ的にはこのあたりが妥当な落としどころかもしれませんね。

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