瑞泉寺・豊臣秀次と妻子の眠る寺

大勢の観光客でにぎわう京都の町中で、ひっそりとたたずむお寺があります。
瑞泉寺(ずいせんじ)。

悲劇の死をとげた豊臣秀次とその家族を供養するために建てられたお寺です。

瑞泉寺に行ってきました。

 

PR

瑞泉寺の由緒

 

秀吉の十三回忌を前に方広寺大仏殿の再建が決まりました。
そのため、大量の材木を運搬するための運河が必要ということになり、豪商・角倉了以に運河の開発許可が下りました。

高瀬川運河の開発を進めていた角倉了以は慶長16年(1611年)この地を訪れます。了以は秀次の塚に参拝しようとこの地を訪れました。ところがあまりにもの荒れ果てように驚きます。角倉家は秀次とは浅からぬ縁もありました。秀次とその家族を供養するため、角倉了以は浄土宗・立空桂叔和尚と相談して瑞泉寺を創建しました。

また、了以の弟・吉田宗恂は高名な医師で秀次に仕えていました。幸い宗恂は処刑は免れました。その宗恂は1610年に亡くなりました。

宗恂の一周忌でもあることから、縁のある秀次のための寺を建てることにしたということです。

 

京都の瑞泉寺を訪れる

 

三条通りから木屋町通りに入るとすぐのところに瑞泉寺はありました。

suisen01

ビルに囲まれてひっそりとしています。
三条通も木屋町通りも観光客の多い通りですが、多くの人が素通りしていました。

その日は雪が降っていました。

suisen02

静かな境内の樹木にうっすらと雪が積もり風情があります。

 

境内を奥に進むと本堂です。

suisen03

まずは本堂をお参りします。

suisen04

ところどころ新しい木材が使われてます。
比較的最近修理されたみたいですね。

 

PR

豊臣秀次公と一族のお墓

 

本堂のむかいには豊臣秀次と妻子・家臣のお墓があります。
suisen05

奥にあるのが、創建当時からある墓石。
中央が豊臣秀次の首が収められたという石びつ。
その両脇には妻子・家臣の墓石があります。

suisen06

文禄4年(1595年)秀次は高野山で切腹。秀次の妻子は三条河原で処刑されました。その遺体を埋めたあとに塚が作られました。塚の上に秀次の首を入れた石びつが置かれたといいます。この塚を当時の人々は”殺生塚”と呼んでいたといいます。

16年後、角倉了以がこの地をおとずれたときには塚は荒れ果てていました。

殺生塚

殺生塚

瑞泉寺は摂政塚の跡地につくられました。
塚にあった石びつを移したのがこのお墓なのです。

石びつには7月15日の文字が刻まれています・・・
わかりやすいように白で塗られています。

suisen07

 

7月15日とは、秀次が高野山で切腹した日なのです。旧暦(太陰暦)の日付です。現在の暦では8月20日になります。

高野山から京に運ばれた秀次の首は、三条河原にさらされました。
秀次の妻子が処刑されたのは8月2日。秀次の首の前で次々と処刑されたといいます。
その後、秀次の首は石びつに収められました。

 

お墓の横には地蔵堂があります。
suisen09
ここには、秀次と妻子、主な家臣の像が収められています。
真ん中が地蔵菩薩、その両脇にあるのが秀次、妻子、家臣ら49人の像

suisen08

 

この地蔵堂は昭和16年。松下幸之助らが作る「豊公会」によって修理されました。
像もそのとき作られたということです。

 

豊臣秀次は自害のあと、悪い評判がひろまりました。
寺では秀次の供養とともに名誉回復のため。
秀次のことがらを伝える掲示物が貼られています。

suisen10

 

suisen11

 

大河ドラマで豊臣秀次を演じた役者さんの写真が貼られていました。
新納慎也さんの写真も掲示されることでしょう。

suisen12

 

 

現代でもあまりいい印象がもたれていない秀次ですが意図的に貶められているようにも思えます。もっと秀次のことを知ってる人が増えてほしいですね。

 

瑞泉寺の住所 京都市中京区木屋町通り三条下ル石屋町114番地
京阪三条駅から徒歩約4分。

 

 瑞泉寺の地図

 

京都の繁華街にありますので、観光に行った時にでも行ってみてはいかがでしょうか。

 

豊臣秀次の記事

豊臣秀次・無能ではなかった秀吉の後継者

豊臣秀次2 悲劇の関白

 

コメント

  1. 淺井計雄 より:

    毎日テレビで「ゴミ」の投げ捨てを見ましたが、飲料水の自動販売機を撤去すれば解消できると思いますが。これがあるから当然カン入れがあり、それにつられて捨てる。この悪循環だと思う。ごみ箱設置は増長します。

    • 文也 より:

      淺井計雄さんこんにちは。瑞泉寺の近くを流れる鴨川か高瀬川の話でしょうか?ゴミの投げ捨てはいけませんよね。やめてほしいものです。

タイトルとURLをコピーしました