天皇・上皇・法王ってどう違うの?意外と知らない呼び方

天皇陛下の生前譲位の話がもちあがりました。
そこで今注目されているのが「上皇」という呼び方。
そもそも、天皇と上皇ってどう違うんでしょうか?
歴史では法皇って人もいたけど。上皇と何が違うの?

ちょっとややこしい天皇の呼び方についてお話しします。

天皇・上皇・法王 呼び方について

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天皇

現在の日本国憲法では「日本国民統合の象徴」
古代日本では首長(国のトップ)のことを大王(おおきみ)、治天下大王(あめのしたしろしめすおおきみ)と呼びました。「すめらみこと」「すめろき」「すべらぎ」という呼び方も使われます。国内にはいくつかの小さな国があり、クニの頂点に立つ権力者を王と呼んでました。それらの国を従える大国の王を「大王」と呼ぶようになったと考えられます。

天皇の由来

天皇という言葉を使いだした時期については諸説あります。かつては推古天皇(593~623年)の時代が主流でしたが、現在では天武天皇(672~686年)~持統天皇(690~697年)の時代が主流です。

天皇とは古代中国(道教)の宇宙の最高神天帝のことです。

”天皇”と書いて”すめらみこと””すめろき”と呼ぶことがあります。
万葉集の時代には現役の天皇は”おおきみ”、歴代の天皇は”すめろき”と区別していたとも言われます。中世までには”てんわう”をへて”てんのう”と発音するようになりました。

諡(おくりな)

歴代天皇には○○天皇という名前が付いています。これは諡(おくりな)といいます。贈り名と表現することもあります。亡くなった後につけられた名前です。

奈良時代から平安時代初期までは国風諡号と漢風諡号の二種類がありました。国風諡号は日本古来の大和言葉でつけられた名前。漢風諡号は漢文から引用した言葉が主に使われます。

たとえば、第一代天皇の場合、”神武天皇”が漢風諡号、国風諡号は”はつくにしらすすめらみこと”となります。平安時代以降は漢風諡号だけになりました。

明治以前は元号とおくり名は別々に決めていました。天皇が変わらなくてもよくないできごとや天変地異があったりすると元号を変えることがあったからです。元号と天皇の贈り名は一緒ではありませんでした。

明治以降は元号が自動的に天皇の贈り名になりました。だから明治時代に在位した天皇は明治天皇なんです。江戸時代最後の天皇は孝明天皇ですが、元号は慶応でした。

現役の天皇は今上天皇

在位中の天皇は今上天皇(きんじょうてんのう)といいます。
だから今現在(2016年9月)は平成天皇と呼んではいけないんですね。

ちなみに直接天皇陛下に向かって”今上天皇”と呼びかけると失礼にあたります。
現在では”陛下”と呼ぶのが一般的のようです。その機会はないと思いますが念のため。

上皇・太上天皇(だいじょうてんのう)

正式には太上天皇(だいじょうてんのう)といいます。省略して上皇と呼んでるんですね。

天皇が生前に位を譲った場合に太上天皇になります。

太政天皇の称号が使われたのは西暦687年に持統天皇が文武天皇に位を譲ったのが最初といわれます。中国の皇帝が生前に位を譲って太上皇(たいじょうこう)と呼ばれたことに由来するといわれます。

持統天皇の前にも大化の改新で位を譲った皇極天皇がいました。でも当時は天皇という呼び名がなかったのです。だから上皇という呼び方もありません。皇祖母尊(すめみおやのみこと)という称号が与えられました。

いまのところ江戸時代の1817年に光格上皇が仁孝天皇に譲位したのが最後です。

上皇は「院」といわれることもあります。上皇が政治を行うのを院政というのはそのためです。

明治憲法・明治時代に作られた旧皇室典範では、生前の退位を認めていません。昭和憲法、現在の皇室典範でも生前の退位は認めていません。

生前退位って珍しいの?

歴代125人の天皇のうち、最初に生前退位した第35代皇極天皇から現在までに58人が生前退位しました。皇極天皇以降に限れば90人中58人ですから珍しいものじゃないです。生前退位がタブーになったのは明治以降のことなんですね。

法皇(ほうおう)

太上法皇(だいじょうほうおう、だじようほうほう)

出家した上皇のことです。特に決まりがあるわけでなく、法皇と上皇に身分の違いはありません。出家したからという理由だけで呼んでるだけです。法皇と呼ばれていても、制度上は太上天皇に数えられます。

最初に法皇の呼び方を使ったのは平安時代の宇多天皇。最後の法皇は江戸時代の霊元法皇です。

歴史や宗教で法王と呼ばれる人もいますが関係ありません。